住環境を決める色のセンス
インテリアコーディネーターの仕事において重要となるスキルの一つが色彩のセンスです。
人が住む住宅内にはさまざまな色が存在していますが、それがどのように配置されているかということはそこに住む人の心理面に大きな影響を与えます。同じ住宅内であっても、大勢が集まってくつろぐリビングや食べ物を食べる食堂、また一日の疲れをとる浴室や寝室といった役割によってそこで適する色はまた変わってきます。
インテリアコーディネーターの場合、一部屋だけをキレイにしあげるのではなく、その住宅や建物全体のイメージや雰囲気を考えての提案となるため、どこにどのような色を配置するかといったことは深い知識と経験が必要となる作業となってきます。
色と光との関係
ここで少し科学的な視点で話をすれば、私達が普段目にしている「色」とは光の波長が作り出すものです。
私達人間が見ることができる光を「可視光」といいますが、空間内には一般的な人の視力ではとらえることができない「不可視光」も存在しています。そのモノに色をつけて見せているのはこのうちの「可視光」の波長であり、この光の波長が大きいか小さいかによってその物体が何色として目の中に入ってくるかが変わるのです。
言い換えるならば、その室内に存在している光が色に対してのイメージを大きく変化させることにもなるということです。室内にある家具や壁といった表面色は自然光や照明などどのような光をあてるかによって色の見え方が変わってきます。
明るい昼間と夜とでは色が違ってみえることがあるように、その室内で色をコントロールしていくためには、どのような光を使うかということもまた重要な要素になります。
正解は一つじゃ無い
色が、人に与える印象や影響には様々なものが存在しますが、正解は一つではありません。
例えば、海外の有名ブラインメーカー「ハンターダグラス」のように、海外の配色は日本国内のものとは異なり、ハッキリとした色使いが好まれる傾向にあります。よく使用されるバーガンディーやマゼンタ、マルーンのような色彩も、国内のインテリアにおいて使われることは少ない色です。国によって色彩の好みや使用方法が大きく異なることの表れでしょう。国や見る人によっても、色の評価というのは変化するものです。
当然、インテリアや家具の好みについても、人によって良し悪しが異なります。そのためインテリアコーディネーターは、仕事をするうえで如何に相手のことを考えられるかが肝心になってくるのです。どのようなインテリアを配置すれば喜んでもらえるか、どのような色使いにすれば利用者が快適に過ごせるかを常に考える必要があります。
照明を使った色の演出を考える
人が住む室内においては、アート作品のように特定の条件だけでその作品を見せるといったことができません。そのため、生活の中でどのようなシーンがありそのときどんな色彩が適当であるかといったことを考えて家財道具の色彩を考えていくことが重要になります。
インテリアコーディネーターとしてステップアップをするときには、色の基本的な知識を学ぶ色彩検定やカラーコーディネーターがすすめられていますが、それに加えて照明コンサルタントの資格も同時に取得することがおすすめになります。
こちらは私が以前お世話になった方がデザインしたお部屋です。照明の使い方や、時間帯によって変わる自然光に影響されない色の組み合わせなど、非常によく考えられたインテリアになっています。このように、おしゃれな住宅や事務所の写真を見て勉強することも大切です。
一つの写真から見える情報だけを受け取るのではなく、違う時間帯や違う照明を使った場合もイメージすると参考になるでしょう。